『医療ダイエットに注意!』
こんばんは!
薬剤師の加賀ちえこです。
1週間前から愛猫の入院と通院が続いていたため、少し更新間隔が空いてしまいました。
人間も動物も、当たり前ですが健康が一番です。
愛猫は腎臓に結石を持っているため、結石が動いて、尿管につまると腎臓の数値が悪くなります。
ようやく今日、回復の兆しが見えてきたので安心しています。
ということで、今日は薬剤師らしく「医療ダイエット」についてお話したいと思います。
最近、インターネットの広告で「医療ダイエット」とうたった広告を見かけます。
努力せずに、お金を払って薬を飲めば痩せられる。
ダイエットしたくても続けられない、自分の意志が弱い、そうやって自分を責めつつ薬で痩せられるなら、と飛び込んでしまう方もいると思います。
でもちょっと冷静に考えてほしいです。
まず使われているのは「2型糖尿病」の方だけに認められている医薬品です。
もちろん保険診療でもないので、副作用が起こっても補償はありません。
軽度な副作用として多いのは悪心・嘔吐などの胃腸障害です。
でも副作用としてあまり説明がないのに、ある程度の頻度で起こる副作用に急性膵炎があります。
急性とは言っても重症の場合、死亡率は10%程度です。
また妊娠を希望されていたり、妊娠されている女性には使用しないよう注意喚起されています。
医薬品だから安全ではなく、どんな医薬品にも副作用はあります。
また減量効果は海外のデータを使われていますが対象は2型糖尿病でBMI25以上の方のデータです。
期間は8ヶ月〜1年、結果は平均で3〜5kg減量、薬として効果のないプラセボを使った場合でも1〜2kgの減量効果が出ています。
この結果を見て、副作用のリスクを無視してまで医療ダイエットをしたいか、よく考えてみてください。
減量効果が見られるのは、薬による食欲減退が主な作用だと思います。
もし、目標通り体重が減ったとしても、薬をやめたら体重はすぐに戻るでしょう。
さらに薬は本来正常に機能していたホルモンをコントロールしているので、薬をやめた後に、体の機能が正常に働くかも疑問です。
もし医療ダイエットに興味を持たれているなら、こういったリスクもしっかり頭に入れておいてほしいです。
薬など使わなくても、必要な栄養素をしっかり摂る食事をすれば、体重も減りますし、リバウンドもしません。
健康的にしっかり食べて、理想の体を手に入れていきましょう!