体の中から美しくなるダイエット(ケトン体について)
こんにちは!
薬剤師の加賀千映子です。
stay homeの影響で体重が増えてしまい「そろそろダイエットをしなくては!」と思っている方も多いのではないでしょうか。
わたし自身太りやすい体質で、以前は体重が増えるとカロリー制限でダイエットをしていましたが、オーソモレキュラー医学という栄養学を学んでからは、カロリー制限がいかに体に負担をかけ、不健康なダイエットであるかに気付きました。
体に必要な栄養を摂りながら行うダイエットは、健康であるために一生続けられる食事療法です。
基本は糖質コントロールになりますが今回は「なぜ糖質を減らす必要があるのか」「ケトン体」についてお話していきたいと思います。
↓動画の前半部分のお話になります。
間違ったダイエット
簡単ダイエットや短期間ダイエットなどで検索すると、いろいろなダイエット方法が出てきますよね。
- カロリ-制限
- 置き換えダイエット
- スムージー
- 酵素ドリンク
- などなど。。。
これらのダイエットは確かに体重を減らすことができるのですが、体に必要な栄養が足りていないために、いろいろな不調が起こりやすくなります。
- 体調不良(疲れ、やる気が出ない)
- 肌の乾燥、しわ
- 胸から痩せ、お腹の脂肪は残っている
このように栄養不足のダイエットをすると、体重は減っても決して健康とは言えない体になります。
では
体に必要な栄養素とは
- 炭水化物(エネルギー源)
- タンパク質(体の成分)
- 脂質(エネルギー源、ホルモンの合成)
- ビタミン(体の機能を調節)
- ミネラル(体の成分、機能調節)
これらの栄養素を『五大栄養素』と言うんですが、実は炭水化物は必須栄養素ではありません!
タンパク質には必須アミノ酸、脂質には必須脂肪酸があり、これらの栄養素は食物から摂らないと体の中で作ることができません。ビタミン、ミネラルも体の中で作ることができないので必ず食物から摂る必要があります。
炭水化物は食物繊維と糖質を合わせたものの総称になりますが、糖質は体の中で作ることができるので必須栄養素ではありません。
つまり一般的に言われているバランスのよい食事でカロリー制限をすると、必須栄養素ではない炭水化物が過剰になり、体に必要なタンパク質、脂質を減らしてしまうので体は栄養失調の状態になります。
糖質こそが肥満の原因だった
ではここで、糖質が体の中でどのような働きをしているかのお話をしたいと思います。
糖質はエネルギー源にもなりますが、産生されるエネルギーは脂質より少なく、非常に効率の悪いエネルギー源です。
摂取した糖質をすべてエネルギーに変えられたらいいのですが、現代人の食生活は糖質が過剰のため、エネルギーに変えられなかった糖質は体内に貯蔵されます。
この機能をコントロールしているのが、糖質を摂った時に分泌されるインスリンです。
インスリンは血糖を下げるためのホルモンですが次のような働きをして血糖を調節しています。
- 糖を細胞内に取り込む
- 糖をグリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄える
- 肝臓で余った糖を中性脂肪として脂肪細胞に取り込む
インスリンは肥満ホルモンとも言われ、糖をいろいろな形に変え、飢餓状態に備え体に蓄えていきます。
つまり過剰に糖質を摂れば太っていくのは当たり前で、逆にこのインスリンの働きを抑えることがダイエットの第一歩になります。
ケトン体が脂肪を減らす
では次に脂肪を減らすにはどうすればいいか、というお話をしていきます。
まずケトン体とは何かというと
- ケトン体は糖と同じエネルギー源
- ケトン体は脂肪酸から作られる
そして
- 糖を減らすと、もう一つのエネルギー源であるケトン体を作るために、中性脂肪を分解し脂肪酸を作る
- 脂肪酸は肝臓でケトン体に変わる
このように脂肪酸からケトン体を作る代謝経路をケトン体回路と言います。
- 脂肪酸は糖の約3倍のエネルギーを作ることができる
- エネルギーをケトン体回路で作れるようになると脂肪が消費されていく
つまりエネルギーを作る経路をケトン体回路で回すことによって脂肪を消費する、ケトン体代謝にすることが脂肪を燃焼させる近道になります。
ただし糖質を減らすだけではなかなかケトン体回路が回りません。脂質を積極的に摂って、ケトン体回路を回せる体にしていきましょう!